2016年全日本王者の初山翔がNIPPOと契約 2018シーズンはヨーロッパプロとして更なる飛躍を誓う

Posted on: 2017.10.21

NIPPOヴィーニファンティーニは、ブリヂストンアンカー所属の初山翔と2018年の選手契約を締結したことを発表した。現在、初山は29歳。U23時代にNIPPOのサポートによりイタリアのアマチュアチームに所属し、その後は国内コンチネンタルチームで活躍。2016年には全日本選手権ロードレースで優勝し、今年はツアー・オブ・ジャパンで毎ステージ逃げに乗り、山岳賞を獲得する積極的な走りに大きな注目が集まった。

来季はNIPPOヴィーニファンティーニとともに、ヨーロッパを拠点に世界中のトップレースを転戦する初山にとって、再びイタリアに戻る形になる。所属チームはアマチュアからプロコンチネンタルチームに大きくステップアップし、レースの厳しさも大きく増すなか、今まで以上の強い意志をもって世界ランキングへ挑戦することになる。

<初山翔のプロフィール>
1988年8月17日生まれ、神奈川県出身
身長/体重 175cm/59kg
2013年 ツール・ド・おきなわ 優勝
2015年 ツール・ド・シンカラ 第9ステージ優勝
2016年 全日本選手権ロードレース優勝
2017年 ツアー・オブ・ジャパン 山岳賞

●所属チーム
2008年〜2009年 A.S.D CICLISTICA MALMANTILE(イタリア・アマチュア)
2010年 CENE VALLE SERIANA(イタリア・アマチュア)
2011年〜2012年 宇都宮ブリッツェン(日本・UCIコンチネンタル)
2013年〜2017年 チームブリヂストンアンカー(日本・UCIコンチネンタル)


写真: 2016年に東京都大島町で開催された全日本選手権ロードレースを制した初山翔

◇初山翔のコメント
高校生のときからヨーロッパプロを目指してきました。かなり遠回りしましたが、曲がりなりにも到達できて率直に嬉しく思います。U23時代にNIPPOからのサポートを受けてイタリアアマチュアチームに所属していましたので、ヨーロッパでのプロ入りの厳しさは心得ているつもりです。来年は今まで以上に厳しい環境に身を投じ、成長スピードに拍車をかけたいと思っております。もう多くの時間は残されていませんので、後悔することのないよう選手活動を行うつもりです。

また5年間ブリヂストンアンカーにお世話になりましたが、入団当初は主にアシストとしてレースを走り、多くのことを勉強させていただきました。ここ数年はエースを任されるレースもあり、勝つことの難しさと責任を教えていただき、様々な面で成長させていただきました。5年間のチームメイト、スタッフ、ブリヂストンサイクルの皆様、並びにスポンサー各社様に大変感謝しております。引き続きご声援のほどよろしくお願いします。

◇大門宏監督のコメント
初山も西村同様にU23カテゴリー1年目から注目していた選手の1人。イタリアでアマチュア時代を過ごしたのち宇都宮ブリッツェンに在籍。もうヨーロッパへの挑戦は懲りたのか、まだ気持ちのなかで “世界ランキングへの挑戦” に興味があるのか、と久しぶりに連絡を取り合ったことがあったが、まだ魂にみなぎるモノを感じ、ホッとしたことを覚えている。

その後、ブリジストンアンカーに移籍したので、その ”狼煙”は再挑戦の証とも見受けられ、陰ながら見守っていた。昨年、全日本チャンピオンになったシーズン後半に打診を受けたが、タイミング的に遅かったので止むなく見送ったが、今シーズンは春からツアー・オブ・ジャパンにかけ、決して 全日本チャンピオン”に慢心することなく「さらに上を目指したい」と言う強い意志が彼の走りから伝わってきた。

実力はあるが結果には恵まれなかった選手に良くあることだが、全日本チャンピオンのタイトルを取ったということより、世間から注目されている大会で勝てたことで、周りからの評価されたことが彼にとって大きな自信になったのだと思う。

ツアー・オブ・ジャパンで3勝を挙げたカノラが初山の積極的な走りと結果(山岳賞獲得)を高く評価したことも決め手となった。もちろん20代前半、イタリアで試行錯誤を重ね苦労していたころ必死に覚えたであろうイタリア語で、彼とコミュニケーションが取れたこともプラスに作用したことは言うまでもない。

日本人のUCIポイントの獲得状況によっては、誰が勝ってもポイントが日本に加点される全日本選手権への出場をあえてキャンセルして、前後のレースを優先させることも容赦しないというチームオーダーの極端なシフト、スケジュールの割り当てもありえることを説明したときは、さすがに本人も戸惑っていたが、来季は、レースの数、レベル、転戦の移動距離、与えられるミッション等、これまでとは全く別世界だと言うことは、彼にはクドいくらい再確認した。他のメンバーと共に少しでも世界との距離を縮め、日本のレベルアップに貢献できる選手に成長してくれることを願っている。


写真:ツアー・オブ・ジャパンで山岳賞を獲得した初山(右)、ポイント賞のマルコ・カノラ(左から2番目)とともに表彰台に上がった

Text&Photo NIPPO Vini Fantini News

NEW ENTRY