2月21日からマレーシア・ニライで開催された自転車トラック競技のアジア選手権は、連日メダルラッシュに湧いた。「アジアでは絶対に負けられない」。世界を目指す選手たちの気迫とプライドが、結果を生んだ。
トラック競技を中心に自転車競技の魅力を伝える、JKA公式のWEBサイト「More Cadence/モアケイデンス」のYOUTUBEチャンネルには、連日のメダル獲得のハイライト動画がアップされている。ここでは、それらの動画を短距離と中距離にそれぞれまとめた。
中距離①:男子エリミネーション
橋本英也が圧倒的な走りでエリミネーションを制した。レースは、残り3人となったところで韓国選手がアタック。それに反応した橋本は、単独で追走し、その勢いのまま韓国選手を追い抜くと周回を残した状態で独走状態。最後は、観客の声援に応えながらハンドルをなげるパフォーマンスでフィニッシュ。エンターテイナー橋本英也が今年もアジア王者に輝いた。
中距離②:女子エリミネーション
順調に周回数をこなして、最後の2人に残った内野艶和。香港選手との一騎打ちとなって迎えた最終周回。後続に構える香港の選手が1コーナーでインから差し込んで前にでると、そのまま逃げ切りを狙う。しかし、内野は懸命にくらいつき、フィニッシュ前でわずかにかわして先着。接戦をものにして、アジア王者となった。
中距離③:男子チームパシュート
アジアのトップの実力を持ち合わせた日本チームが、まさかの銀メダル。順調に決勝に勝ち進んだ日本は、決勝でもその強さをみせつけて、対戦相手の韓国チームを追い抜き勝利。アジア王者、かと思われたが、レース後、メンバーチェンジの申告不備により降格処分となり2位。後味の悪い結末となった。
中距離④:女子チームパシュート
パリ五輪が終わって、様々な挑戦を試みてレベルアップをはかる4選手が、力を見せつけて優勝。韓国との対戦となった決勝でも追い抜き勝ち。アジア選手権3連覇を達成し、圧倒的な実力をもつ日本チーム。世界に近づくために、個々のさらなるスピードアップが必須となる。
中距離⑤:男子個人パシュート
レジェンド窪木一茂が、また偉業を成し遂げた。決勝に勝ち進み金メダルをかけた1戦で、アジアレコードを塗り替える4分8秒669を叩き出し優勝。進化をとめないベテランレーサーが、さらなる高みを目指して戦い続ける。
中距離⑥:女子ポイントレース
垣田真穂が盤石の走りでポイントレースを制した。序盤から着実にポイントを積み重ねた垣田は、終盤でアタック。周回遅れの選手を携えて、先頭を引き続けてフィニッシュ。危なげない走りでアジア王者に輝いた。
中距離⑦:女子マディソン
久々のペアとなった梶原悠未と内野艶和。これまで実力の底上げを図ってきた日本チームにとっては、今やどのメンバーで組んでもアジアのレベルで敵はいない。12回のスプリント周回で、11回の1着通過5ポイントを獲得。60点の大量得点でアジアを席巻した。
中距離⑧:男子マディソン
長年トラック界を牽引してきた2人のレジェンドレーサーが、アジアで圧倒的なパフォーマンスを見せた。スプリント周回1着通過は、20回中17回。さらに2度のラップも成功させて、合計133点を叩き出し、2位韓国に85点の大差をつけて圧勝優勝。まだまだ彼らがトラック界を牽引し、日本を世界のトップレベルへ近づけてくれるに違いない。
中距離⑨:女子個人パシュート
垣田真穂が大会最終日を金メダルで締めくくり、自身3冠達成。今回、これまで3kmで行われてきた女子個人パシュートが4kmに変更となり初めての公式レースとなった。そのため、決勝でも記録を狙った垣田は、対戦相手を追い抜き以降もフィニッシュラインを目指した。「まだ距離変更への対応ができてなかった」というように、後半はペースはおちたものの予選タイムを上回り4分41秒436でフィニッシュ。これがアジアレコードとなり、今後はこのタイムを目標に、記録を狙っていく戦いが始まる。
上記の種目の他、男子オムニアムでは、兒島 直樹が、女子オムニアムは池田 瑞紀がそれぞれ金メダルを獲得。動画が公開され次第、こちらに掲載していく。