西谷が最終ステージ4位!グアルディー二がスプリントを制しツール・ド・ランカウイを締めくくる

Posted on: 2014.03.09

アジア最大級のステージレース、ツール・ド・ランカウイは、8日、マレーシア、トレンガヌ市内で最終ステージが行われ、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)がステージ優勝。今大会2勝目をあげ、ランカウイでの通算優勝記録を14に伸ばした。また、愛三工業レーシングの西谷泰治が4位入賞。アジア人最高位となり、UCIポイントも獲得した。総合優勝は第5ステージからジャージを守り続けたミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)。大会史上初めてアジア人がタイトルを手にすることとなった。


ツール・ド・ランカウイ最終日

10日間で1,500キロ。灼熱の地で行われたアジア最大級のステージレースもいよいよ最終章。今大会は天候に恵まれ、雨天はゼロ。しかし、連日の暑さは最終日も続き、酷暑と高い湿度の中でレースが行われることとなった。

最終ステージは、マレー半島最大の湖タシクケニルをスタートした後、クアラトレンガヌ市街地へ移動し、6周のクリテリウムを行い勝負を決する。距離は103.1km。大会最終日に、このコースが設定されるのは今年で3年目。例年スプリントで勝敗が決している。そうした中、第9ステージ終了時点でポイント賞上位が僅差でひしめいているため、途中に設けられた中間スプリントにも注目が集まった。

各チームの思惑が絡みあい、度重なる波乱が起こってきた今大会。第1ステージでは126名がエントリーしていたものの、落車などの影響により、最終日のスタートラインに立ったのは112名となった。


第10ステージコースプロフィール



リラックスした様子で集まる選手達

レースは序盤、アントワーヌ・デュシェーヌ(カナダ、ヨーロッパカー)、ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカグリーンエッジ)、ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、ネーリソットーリ・イエローフルオ)の3名が飛び出す。一方、メイングループでは、タブリーズ・ペトロケミカルとアスタナがコントロール。

その後、先頭からランカスターが集団へ戻り、トップグループは2人に。そして、メイン集団とのタイム差を1分30秒ほどを保ち、クアラトレンガヌ市街地へと入っていった。



最終周回手前集団は一つに



クアラトレンガヌ市街へとレースは進む

街の中心部に設けられたクリテリウムコースに入ると、メイングループは一列棒状となり、スピードが上がっていく。自転車熱の高い街であるトレンガヌ州では、沿道には多くの観客がかけつけ、地元チームトレンガヌ・サイクリングに大きな歓声が送っていた。そんな中、残り2周を残して、トップグループが捕まり、再び集団は1つとなって最終局面を迎えていく。



集団一つとなり、勝負の行方は集団スプリント勝負に

ゴール前は、道幅も比較的広い直線の道路。何重もの人垣ができる中、大会のフィナーレを飾るべく、スプリンター達が真っ向勝負を開始した。最初に仕掛けたのはテオ・ボス(オランダ・ベルキンプロサイクリング)。しかし、ライバルスプリンター達もそれを許さない。そして、残り300mを過ぎて、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)が飛び出し、一気に加速。連日ボスの前に苦杯を喫してきたイタリアンスプリンターが、最終ステージで雪辱を果たした。

相性の良いランカウイで、大会通算14勝目を上げたグアルディーニは、「今回、調子はよかったので、もっと勝ちたかった。ただ自分が勝つには、ゴール前200~250mくらいの直線が必要。今年はそういったコースが少なかった。今日もベルキンがゴール前良い動きをしていたけど、それを利用して勝つ事が出来たよ。」とレースを振り返った。



グアルディーニがステージ優勝、西谷は4位

愛三工業レーシングの西谷は、集団の動きを冷静に見て、ラスト300mから先頭を追いかけ4位でフィニッシュ。表彰台にはあと一歩届かなかったものの、UCIポイントを獲得に成功した。

以下、西谷コメント
「テオ・ボスが早い段階から抜け出して、リードアウトの選手に行く手を塞がれそうにになったけど、なんとか1人であがって、前の3人に追いついたところでゴール。もう少しで表彰台だったんですが、今までの中で一番いい成績だし、まあ結果が残せたかなと思います。初日、2日目にチームメートがいなくなる状態の中では良くやったなと思います。メンバーと足が揃っていれば勝てるんだという感触が掴めました。本当はチームみんなで戦いたかったですけど、まあ、そういった感覚が掴めただけでも良かったと思います。」


大会序盤にケガで人数を減らし、苦戦を強いられた愛三工業レーシング

総合優勝は、超級山岳ゲンティンハイランドの第4ステージを制した、ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)。今年で19回目を数える大会で、初めてアジア人王者が誕生し、大会の歴史に新たな1ページを刻んだ。


ポルセイェディゴラコールがアジア人初の総合優勝を飾った

マレーシアが、国を上げて大会を盛り上げ、アジア最大級へと成長させたツール・ド・ランカウイ。関わるスタッフの熱、沿道に詰めかける観客をみると、自転車競技がこの国にしっかりと根付いていると感じることができる。アジア版「ツール・ド・フランス」を目指し、大会はますます発展していく事だろう。

【ツール・ド・ランカウイ2014 第10ステージ結果】
1位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ) 
2位 アイディス・クルピス(リトアニア、オリカグリーンエッジ)    
3位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットーリ・イエローフルオ)
4位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシング)   
5位 ケニー・ファンヒュンメル(オランダ、アンドローニジョカトリ・ベネズエラ)    
51位 福田真平(日本、愛三工業レーシング)   
109位 平塚吉光(日本、愛三工業レーシング)                    
      
【ツール・ド・ランカウイ2014 総合成績最終】
1位 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル) 
2位 マラウィ・クダス(エリトリア、MTN・キュベカ)              +8”
3位 イサーク・ボリバル(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)          +11”
4位 エステヴァン・チャベス(コロンビア、オリカグリーンエッジ)         +20”
5位 ペトル・イグナテンコ(ロシア、カチューシャ)               +36”

スプリント賞
アイディス・クルピス(リトアニア、オリカグリーンエッジ)   

山岳賞
マット・ブラメイヤー(アイルランド・シナジーバク)

チーム総合
MTN・キュベカ(南アフリカ)

◆大会詳細はこちらから

【第10ステージゴール前動画】

【写真・映像 La tour de LANGKAWI 2014】

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