世界VS日本 ワールドステージは新田が世界王者ペルビスを力でねじ伏せる

Posted on: 2013.08.15

15日、松戸競輪場で行なわれた「ワールドステージ」は、新田祐大(福島・27歳)が優勝。今年の1kmタイムトライアルの世界チャンピオン、フランソワ・ペルビスを力でねじ伏せ、日本の競輪の意地を見せつけた。


ワールドステージを制した新田祐大

現在「短期登録選手制度」を利用し、競輪選手として海外のトラックアスリートたちが日本の競輪を走っている。そうした中で、成績上位2選手、フランソワ・ペルビス(フランス・28歳)とアンドイ・ビノクロフ(ウクライナ・31歳)が、ワールドステージの出場権を手にした。


今季日本での最終戦となった今年の1kmTT世界王者フランソワ・ペルビスも気合いが入る

フランソワ・ペルビスは、今年2月に行なわれたトラック世界選手権で1kmタイムトライアルの世界王者に輝いたスピードマン。そして、アンドレイ・ビノクロフは、ワールドカップではKEIRINで優勝した実績もある経験豊富な選手だ。

そんな彼らを迎え討つのは国内を代表するトップ選手7名。ロンドン五輪日本代表の新田祐大(福島・27歳)、中川誠一郎(熊本・34歳)をはじめ、2011年王者村上博幸(京都・34歳)、アテネ五輪銀メダリスト伏見俊昭(福島・37歳)、そして若き先行選手、脇本雄太(福井・24歳)といった、G1レース常連の豪華選手たちだ。

レースは、世界レベルのスピードレースが予想される中、残り2周で誘導員が退避すると同時に一気に動き出す。ビノクロフが中段5番手から先頭にあがり、そのままペースアップ。2番手につけたペルビスとともにハイスピードな展開に持ち込む。

しかし、それに待ったをかけたのが脇本雄太だった。主導権を握られまいと捲りをしかけると、残り1周で先頭へ出て逃げ切り体制へ。2番手となったビノクロフだったが、ここで力尽き、スピードダウン。

それと同時にペルビスが、脇本の2番手を奪おうと追い上げをみせたその瞬間、新田祐大がスパート。ペルビスの外を一気に捲ると、その勢いのまま、先頭の脇本を呑み込み1着でゴール。ペルビスも必死に追い込むものの新田には届かず2着でレースを終えた。


2着のペルビスに1.5車身差をつけて勝利した新田

新田はゴール後、顔をしかめながら「日本ではなかなか味わえないスピードレースで、今までに無いくらいきついレースでした。世界チャンピオンが残り1周でしかけた時に、先に行かれては勝機を逃してしまうと思い、懸命にペダルをふみました。」

リオデジャネイロ五輪出場を目指す新田にとって、日本のファンの前で世界のトップ選手たちとの力勝負を制し、勝利することができたことは大きなはずみになったに違いない。今後も国内だけでなく、世界を視野にいれた戦いが続く。


レース後、悔しさを滲ませながら2人で振り返るペルビス(右)とビノクロフ(左)

また、ペルビスとパーキンスは、この後帰国し、ワールドカップや世界選手権へと舞台を移していく。ペルビスは「世界のKEIRINと日本の競輪とは、違うけれど、レース戦略を考えること、それからメンタルの部分で大きく成長できた。また世界で活躍して大好きな日本に戻ってくるよ」とコメントした。

【ワールドステージ結果】
優勝 新田祐大 (福島・27歳)
2着 F.ペルビス(フランス・28歳)
3着 中村浩士(千葉・35歳)

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