ボスが230kmの大会最長ステージを制し2勝目!愛三の西谷は20位 ツール・ド・ランカウイ第7ステージ

Posted on: 2014.03.06

ツール・ド・ランカウイ第7ステージは、序盤で総合争いを演じるジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、イエローフルオ)を含む4名の逃げが決まるものの、残り10kmを切ってメイングループが吸収。集団スプリントをテオ・ボス(オランダ、ベルキンプロサイクリング)が制し、今大会2勝目を飾った。また、逃げを試みるなど、積極的な動きをみせた、愛三工業レーシングの西谷はスプリントに絡むものの、20位でフィニッシュした。


このステージから戦いの舞台はマレー半島東海岸へ

今大会最長距離、230.1kmで争われる第7ステージ。シンガポールやジョホールバルといった都市からも近い、自然豊か小さな町がスタート地点。この日から戦いの舞台はマレー半島東岸部に移る。ほぼフラットなコースレイアウト。最初のスプリントポイントを超えると海岸線を北上していくため、海からの風も勝敗を分ける重要な要素となる。

4級山岳が1つ、スプリントポイントが3カ所用意されている、平坦基調のロングステージは、総合・ポイント賞争いをするチームが積極的にレースを進める事が予想された。快晴の青空のもと119名がスタートラインに立った。


第7ステージコースプロフィール


レース前リラックスした様子の選手達

レースは、前日同様、激しいアタック合戦で幕を明ける。プロチームも積極的にアタックを繰り返す中、愛三の西谷も逃げを試みるが決めることはできなかった。その後、スタートから1時間あまりが経とうとした4級山岳の手前で、6名の選手が飛び出す。


レース後すぐのアタック合戦

最初の山岳ポイントをきっかけにレースが動く

結果、この動きを利用して、ブレット・ランカスター(オーストラリア・オリカグリーンエッジ)、ドゥベル・キンテロ(コロンビア、コロンビア)、エリック・シェパード(オーストラリア、OCBCシンガポール)、そして2011年のランカウイマスター、ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、イエローフルオ)の4名が逃げを決めた。


4名の逃げが決まる

メイングループを牽引するのはリーダーチームタブリーズ・ペトロケミカル。先頭とのタイム差は徐々に広がっていく。逃げグループのモンサルベはこの日スタート前の総合順位は12位で、首位とは2分20秒差。レース序盤にバーチャルリーダーとなる。選手達が東海岸の海沿いにでると横風が吹き付けてくる。先頭とのタイム差は3分30秒から4分余りで推移。逃げグループ4名は快調に逃げを続ける。



メイングループを引く、タブリーズ・ペトロケミカル

選手達に多くの声援が贈られる

残り80キロを過ぎた所で、スプリントを狙いたいベルキンプロサイクリング、アスタナが先頭交代に加わり、逃げグループとの差をじわじわと詰めはじめる。残り40キロを過ぎるとタイム差は2分15秒。モンサルベのバーチャルリーダーは終わり、先頭との差は縮まっていった。


ゴールを待つメディア達

残り10キロを切ると、先頭から一人、また一人とメイングループに吸収されていき、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。ゴール地点は残り1km、500m、300m付近に鋭角のコーナーがあり、集団内のポジション争いが重要となる。最終コーナーを過ぎ、先頭で現れたのはベルキン。グレーム・ブラウンにリードアウトされテオ・ボス(オランダ、ベルキンプロサイクリング)が勝利。第2ステージに続き、大会2勝目を上げた。総合首位は代わらず、ポイント賞はこの日2位に入ったアイディス・クルピス(リトアニア、オリカグリーンエッジ)が2位に4ポイント差をつけて首位に立った。


余裕をもって勝利した、テオ・ボス

リードアウトした、グレーム・ブラウンをたたえる

テオ・ボスは「ここ何ステージか逃げを許したりしてチームのフラストレーションがたまっていた状態だった。そんな中、チームカーからたくさんの情報が入ってきてゴール前の準備をすることができた。最後のコーナーが続く所が勝負のポイントだと思い、早めに動いて、そして2位のクルピスもしっかり見えていたので自分が勝つ事ができた。明日の平坦なステージ、そして残りのステージをで勝利を重ねていきたい」と語った


レース後、放水車が選手達を冷やす

愛三の西谷はレース後「前半のアタックは平塚選手と2人で、行けそうだったら行くという感じだった。今日のレースはいつものランカウイにしては割りと早く逃げが決まった方だと思う。今日のゴールはずいぶんリスキーなスプリントとなった。最終コーナー、車輪滑らせながら前へと上がっている奴らが居たんじゃないのかなって。凄かった。それなりのリスクを覚悟しないと勝負に絡めない。残り3ステージで、タイミングもあるとは思うけど、逃げとスプリントの両方を狙っていきたい。できれば入賞圏内に入りたい。」と語った。


フィニッシュ時の西谷(画面真ん中)

【ツール・ド・ランカウイ2014 第7ステージ結果】
1位 テオ・ボス(オランダ、ベルキンプロサイクリング)  5h33’12”(avr.42,76km)
2位 アイディス・クルピス(リトアニア、オリカグリーンエッジ)    
3位 レオナルド・デュキュエ(コロンビア、コロンビア)   
4位 カルロス・アルゼ(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)        
5位 マイケル・コラー(スロベキア、ティンコフサクソ)   
20位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシング)        
80位 平塚吉光(日本、愛三工業レーシング)                    
111位 福田真平(日本、愛三工業レーシング)         

【ツール・ド・ランカウイ2014 第7ステージ終了時 総合成績】
1位 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル) 12h09’21”
2位 マラウィ・クダス(エリトリア、MTN・キュベカ)              +8”
3位 イサーク・ボリバル(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)          +11”
4位 エステヴァン・チャベス(コロンビア、オリカグリーンエッジ)         +20”
5位 ペトル・イグナテンコ(ロシア、カチューシャ)               +36”

第8ステージはマレー半島東岸部の海岸線を北上する202.2kmとなる。

◆大会詳細はこちらから

【第7ステージゴール前動画】

【写真・映像 La tour de LANGKAWI 2014】

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