ツール第8ステージ 大本命フルームピレネーの超級山岳を制す

Posted on: 2013.07.07

ツール・ド・フランス初の超級山岳ステージとなった第8ステージ。大会前の下馬評で大本命に上げられていたクリス・フルーム(スカイ プロサイクリング)がその実力を発揮しステージ優勝を飾るとともに、マイヨジョーヌにも袖を通した

第8ステージはカストルの街をスタートして、コース後半に超級山岳パイエール峠、そして1級山岳アクス・トロワ・ドメーヌ山頂ゴールが構える195km。前半戦の山場ピレネー山脈で行われる山岳ステージ2連戦。総合優勝争いに関わる戦いが予想された。

レースは序盤、ジョニー・フーガーランド(ヴァカン・ソレイユ)を含む4名の逃げグループが形成される。後続との差を一気に広げタイム差は9分まで広がる。リーダーチームであるオリカ・グリーンエッジがメイングループをコントロール。119.5km地点に設けられた中間スプリントポイントでは、逃げグループが通過した後、アンドレ・グライペル(ロット・ベリソル)ペテル・サガン(キャノンデール プロサイクリング)マーク・カベンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ)が続いた。

その後、最初の超級山岳パイエール峠に向けてスカイ プロサイクリング、ベルキン プロサイクリングが集団をコントロール。先頭とのタイム差を1分8秒差まで縮めて山岳での争いが開始された。ロバート・ヘーシング(ベルキン プロサイクリング)トマ・ボクレール(チームヨーロッパカー)などが集団からアタック。有力スプリンターが先ずは遅れはじめ集団が一気にバラバラになる。さらにダミアーノ・クネゴ(ランプレ・メリだ)など多くの有力選手が遅れる中、切れのよいアタックを決めたのはナイロア・クインターナー(モビスター チーム)。逃げグループを一気に捕まえ、後続に30秒の差をつけパイエール峠を1位で通過した。

クインターナーは下りでタイムを失い、後続からアタックして追いついたピエール・ローラン(チームヨーロッパカー)に追いつかれるものの、1級山岳アクス・トロワ・ドメーヌに突入すると再び1人でゴールを目指しはじめる。一方メイングループはリッチー・ポート(スカイ プロサイクリング)の激しい集団の牽引により一気にペースアップ。アンディ・シュレク(レディオシャック・レオパード)カデル・エヴァンス(BMCレーシングチーム)ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ チーム)等有力選手が次々と遅れる中、アルベルト・コンタドール(チーム サクソ・ティンコフ)も必死に食らいつくがスカイ プロサイクリングのペースアップに付いていく事ができなかった。

そして残り5キロを切ると脚をためていたフルームがアタック。先行するクインターナーを一気に捉え1人ゴールを目指す。残り1キロ、ゴール前の平坦部分でもトップギアを踏み込み最後まで力強い走りをみせ、ゴールラインを駆け抜けた。2位にはチームメイトポートが入り、スカイ プロサイクリングのワンツーフィニッシュという結果となった。フルームはステージ優勝とともに総合でもトップに立ち、マイヨジョーヌを獲得した。

明日はピレネー第2戦。1級山岳が4つ構える難関山岳ステージ。巻き返しを計るチームの激しい攻撃が予想される。

【2013ツール・ド・フランス第8ステージ リザルト】
1クリス・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 5時間3分18秒
2リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)+51秒
3アレキサンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)+1分8秒
4バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)+1分10秒
5ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)+1分16秒
143新城幸也(日本、チームヨーロッパカー)+29分12秒

【個人総合(マイヨ・ジョーヌ)】
1クリス・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)32時間15分55秒
2リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)+51秒
3アレキサンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)+1分25秒
4バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)+1分44秒
5ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)+1分50秒
75新城幸也(日本、チームヨーロッパカー)+32分51秒

【ポイント賞(マイヨ・ヴェール)】
1ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)234 pts
2アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)141 pts
3マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)128 pts

【山岳賞(マイヨ・アポワ)】
1クリス・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)31 pts
2ピエール・ローラン(フランス、チームヨーロッパカー)31 pts
3リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)28 pts

【新人賞(マイヨ・ブラン)】
1ナイロア・クインターナー(コロンビア、モビスター チーム)32時間17分57秒
2アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)+46秒
3ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ)+1分23秒

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