新城幸也アムステル・ゴールドレースで10位 クラシック日本人最高位への軌跡

Posted on: 2014.04.21

春のクラシック「アムステル・ゴールドレース」に向け、ワンディレースを転戦してきた新城幸也。「フレッシュ・ブラバッソンヌ」では、ゴール前、切れのあるアタックをみせ12位。「GP・ド・ドゥナン」ではチームの為に、献身的に集団を牽引し、調子の良さを伺わせた。そして今年の目標の一つとしていた「アムステル・ゴールドレース」で、クラシック史上、日本人最高位となる10位という結果を残した。


アムステル・ゴールドレース 10位フィニッシュした新城(Photo Yuzuru SUNADA)

■4月16日「フレッシュ・ブラバッソンヌ(1.HC/ベルギー フラームス=ブラバント州)」

レースは逃げグループが出来ては吸収されるという、激しい展開。チームヨーロッパカーは8人が出走できるこのレースに6で挑むという不利な状況だったが、逃げには必ずチームメイトが入り、選手たちはそれぞれ自分の役割を果たしていった。

レース終盤に差しかかるとペースはぐんぐんと上がり、選手たちはふるい落とされていく。そんな中、ゴールスプリントを託された新城は、少人数に絞られた集団からゴール500m手前でアタック。ロングスパートをかけ単独で飛び出したが、ゴール手前で飲みこまれ、スプリントとなり、12位でレースを終えた。

レース後、新城は「正直、疲れが残っていて、フレッシュな状態でゴールスプリントに臨める感覚ではなかった。でも、上りも良く上れていたし、調子が悪いわけではなかったので、あの位置にいて、今しかないっ。と思った瞬間にかけてみた。

アタックしたくてうずうずしていたし(笑)。もし、普通にスプリントしていたら、もっと上位の可能性はあったかもしれないけど、今の脚では、あれが最善だったと思う。」とレースの感想を語った。

また、「17日のグランプリ・ドゥナンは、エーススプリンター、ブライアンのために走ることになるので、20日のアムステル・ゴールドレースまでには疲れを抜いて、万全の状態で走りたい。自分自身、とても楽しみだ。」と意気込みを語った。

【動画:フレッシュ・ブラバッソンヌ ゴール手前12km】

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■4月17日「GP・ド・ドゥナン・ポルト・デュ・エノー(UCI1.1/フランス ノール=パ・ド・カレー地域圏ドゥナン)」

この日のコースはドゥナンの街をスタートし、ゴールとする198km。レースは序盤、6名の選手の逃げグループが形成され、メイン集団とタイム差3〜4分でレースが進んでいく。

逃げグループに新城所属のチームヨーロッパカーはメンバーを送り込めず、メイン集団内でエーススプリンター、ブライアン・コカ(フランス)のために集団前方で積極的に逃げを追いかける。

残り70kmを切り、その差はいっきに40秒ほどまで縮まる。逃げ続けることをあきらめない2選手はさらに加速。これを追いかけるチームヨーロッパカーの選手たち。新城も積極的に集団の先頭に出てペースを上げる。

残り20kmを切ったところで、ついに逃げていた2名は集団に吸収。ここからはブライアンのゴールスプリントに向け、新たなアタックを警戒して、新城は先頭をハイペースで引き続ける。そして、ブライアンのポジション確保に献身的に動いていった。


レース終盤、集団の先頭を引き続ける新城(Photo Benedicte Front)

その後、ラスト4kmまで全開で引き続けた新城は、ゴールをチームメイトに託して後退。この日の仕事を終えた。

その後、チームメイトたちはブライアンを牽き続けるものの、ゴール直前の混戦の中でブライアンはポジションを失い16位でフィニッシュ。新城は1分20秒遅れの120位でゴールした。

レース後、新城は「チームのみんなが自分の仕事をやった。ゴール前、運も必要だからね。こういう日もある。きちんと疲れをとって20日のアムステルは、トマとブライアンのためにしっかり走れるように準備する」と語った。

【動画:グランプリ・ドゥナン(後半18kmから新城は先頭を引き続ける)】

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■4月20日「アムステル・ゴールドレース(UCIワールドツアー/オランダ)」

オランダ最大のワンデーレース、アムステル・ゴールドレースは、マーストリヒトからファルケンブルフまで、34の上りを含む起伏にとんだ251.8kmのコースで、同会場は2012年の世界選手権でも使用されたコースとしても知られている。また、「1000のカーブ」と言われるテクニカルなコースレイアウトで、クラシックと呼ばれるレースの中で、最も難易度が高いレースとも言われている。


アムステル・ゴールドレース コースプロフィール

レース序盤、10名の選手が先頭集団を形成。この中に新城所属のチームヨーロッパカーのメンバーは含まれず、追う立場でのレース展開となる。

チームとしては、エースをトマ・ヴォクレール(フランス)、スプリントになればオリンピック銀メダリストのブライアン・コカ(フランス)という2枚看板でのぞみ、新城を含め各選手が、トマとブライアンのために集団の前方で位置取りメイン集団を動かしていく。

レースが動いたの残り40km。逃げている先頭10名とのタイム差が3分台に入ったところで、エースのトマがメイン集団からアタック。この動きを警戒していた、各チームのエース級の選手たちがこれに反応した。6人の有力選手がペースを上げ、先頭を追い上げる。

先頭を走る10名は、次々と選手が脱落し3名に絞られる。一方、トマを含む6名の追走集団の後方に位置するメイン集団でも、ペースが上がり、次々と選手が脱落していく。そうした中、チームヨーロッパカーは3名がメイン集団前方でコントロールしていった。

その後、残り8kmで最初に逃げていた選手たちと、トマを含む6名の追走グループも集団に吸収されると、最後の上り、カウベルクに向けて位置取り争いが激しくなる。そして、カウベルクに突入後、アタック合戦が繰り広げられ、先頭集団は分裂。ここでアタックを仕掛けた、フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が優勝。新城は惜しくも12秒遅れの10位でゴールした。

新城が10位でフィニッシュしたことで、UCIワールドツアーポイントを2点獲得。これにより、9月に行われる世界選手権の出場枠を日本にもたらした。

クラシックレースで10位という結果は、これまでの日本人最高位。2010年の世界選手権で新城が記録した9位同様、日本の自転車ロードレース界の歴史を塗り替えたともいえる結果となった。


快調にコーナーをこなしていく新城(Photo Yuzuru SUNADA)

快挙を成し遂げた新城は「今日は、チームからのオーダーはトマ、セリル、そして自分が狙っていくメンバーとして選ばれていた。トマがアタックしてからは、次の展開に集中して走った。走り出して、すぐに調子の良さを感じ、250kmがアッと言うまだった。

今回は自分が成績を出したが、チームメイト、みんなが強かった。チームメイトに感謝したい。去年の成績から見て、今シーズンの目標の一つに掲げていたレースで、調子を合わせられたことは、これまでの経験があったからだと思う。しかし、悔しさは残るので課題はまだあると感じた。」

新城の次戦は、27日、リエージュ・バストーニュ・リエージュの予定となる。

【記事 Miwa IIJIMA】

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