テオ・ボスが落車混乱のスプリントを制し連勝!西谷は18位 ツール・ド・ランカウイ第8ステージ

Posted on: 2014.03.07

ツール・ド・ランカウイ第8ステージは、アタックの応酬になるというレース前の予想とは裏腹に、レース序盤に決まった逃げをスプリンターチームが吸収し、この日もスプリント勝負に。ゴール前で連発した落車を尻目に、スプリントを開始したテオ・ボス(オランダ、ベルキンプロサイクリング)が、前日に続き優勝。2位にグアルディーニ、3位にファンヒュンメルでフィニッシュ。スプリンター達の競演が見られたステージとなった。愛三工業レーシングの西谷は18位でフィニッシュした。


テオ・ボスが連勝

ツール・ド・ランカウイ第8ステージは、202.2kmのロングステージ。マレー半島東部のほぼ中央に位置するパパン州の州都であるクアンタンの街は、モスク、ヒンドゥー、中国寺院が建ち並ぶ一方で、商業も発達しているため、現代的なビルと古い歴史ある建物が混在している。レースは、そんなクアンタンの街をスタートし、東海岸を一直線に北上し、ゴールのマランの町へと向かっていく。ほぼ平坦なコースは、海岸線を行くため海からの風も勝敗を分ける要因となる。

この後の残り2ステージは距離も短く、フラットなため、総合で逆転を狙うチームのアタッカー達が激しい動きをすると予想された。この日も刺すような強い日差しが照りつける青空のもと、レースはスタートした。


第8ステージコースプロフィール


この日も、猛暑の中のレースとなった

パレードランの後、リアルスタートが切られると、予想に反しあっけなく逃げが決まる。モルガン・ラモワソン(フランス、ヨーロッパカー)、チャンファット・ゴー(シンガポール、OCBCシンガポール)、ホゥイジ・ジャン(中国、ジャイアント・チャンピオンシステム)、エリティン・アサドフ(アゼルバイジャン、シナジーバク)の4名が飛び出し、逃げが決まる。



10km付近で早々と逃げが決まる

メイングループはこの日もタブリーズ・ペトロケミカルが先頭に人数を固め牽引。タイム差は4分程度、ゆっくりとしたペースでレースは進んでいく。そして、海からの横風が選手達に吹きつける中、レースはマレーシアで自転車熱の高い、トレンガヌ州に入る。アヌア・マナン、ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリング)を応戦するフラッグがあちこちにみかけるようになる。大きな展開のないままこの日レースは進んでいった。



集団を牽く、タブリーズ・ペトロケミカル



コース上はイスラム色が強くなる

メイングループが徐々に先頭との差を詰めはじめ、スタートから160km地点を過ぎるとベルキンプロサイクリングが先頭交代に加わりはじめる。そしてついに残り11km付近でメイングループは一つとなった。




ゴール手前11kmで集団は一つとなった

ゴール前1kmから道幅も狭くなり、鋭角のコーナーが続くこの日のフィニッシュ。各チームともスプリントを優位に進めようと前方に選手を送り込もうとする中、残り1kmと300mで落車が発生。人数の絞られた形でのスプリント勝負となった。後続の落車を尻目にグレーム・ブラウンに引きつられてテオ・ボス(オランダ、ベルキンプロサイクリング)がスプリントを開始。アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)、ケニー・ファンヒュンメル(オランダ、アンドローニジョカトリ・ベネズエラ)が迫るが、昨日に続きボスが先頭でゴールラインを駆け抜けた。落車には総合首位のミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)も含まれていたものの、ゴール前3km以内の落車のため、救済処置でタイムを失う事なく総合首位をキープした。


落車をすり抜けたスプリンター達のゴール勝負となった

レース後、テオ・ボスは「落車が起こった時、他の選手のバイクに接触したけど倒れずバイクを保つ事ができラッキーだった。今日もブラウンにまたリードアウトしてもらって良いポジションでスプリントして勝てたよ。残りの2ステージも平坦だから狙っていきたい」と語った

また愛三の西谷はレース後「コースが狭くなるのはわかっていたので、みんな押し合いへし合いで、スピードも本当に半端無かった。ベルキン、アスタナあたりはラスト500mで2枚、3枚残しているから余裕はありますよね。自分としてはあと2日ロングスパートでもがききらないと駄目かなって思う。なんとか、力をだしきって一ケタ順位に残りたい。明日は距離が短いので、面白い展開になると思うし、逃げ、最後のカウンターアタック、ロングスプリントと複数の選択肢をもってチャレンジしていきます。」と語った。

【ツール・ド・ランカウイ2014 第8ステージ結果】
1位 テオ・ボス(オランダ、ベルキンプロサイクリング)  5h33’12”(avr.42,76km)
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)   
3位 ケニー・ファンヒュンメル(オランダ、アンドローニジョカトリ・ベネズエラ)
4位 マイケル・コラー(スロベキア、ティンコフサクソ)     
5位 ロバート・フォスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア) 
18位 西谷泰治(日本、愛三工業レーシング)        
78位 平塚吉光(日本、愛三工業レーシング)                    
87位 福田真平(日本、愛三工業レーシング)         

【ツール・ド・ランカウイ2014 第8ステージ終了時 総合成績】
1位 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル) 12h09’21”
2位 マラウィ・クダス(エリトリア、MTN・キュベカ)              +8”
3位 イサーク・ボリバル(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)          +11”
4位 エステヴァン・チャベス(コロンビア、オリカグリーンエッジ)         +20”
5位 ペトル・イグナテンコ(ロシア、カチューシャ)               +36”

第9ステージは111.1kmの平坦基調のステージとなる。

◆大会詳細はこちらから

【第8ステージゴール前動画】

【写真・映像 La tour de LANGKAWI 2014】

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