冒険映画『僕たちのバイシクル・ロード 〜7大陸900日〜』11月公開
自転車で7大陸33ヵ国を走破した二人のイギリス人青年によるドキュメンタリー映画『僕たちのバイシクル・ロード ~7大陸900日~』が、11月3日から東京都写真美術館、銀座シネパトスでロードショー公開される。二人の従兄弟、ジェイミー・マッケンジーとベン・ウィルソンが3年に及ぶ自転車旅の中で記録し続けたこのドキュメンタリー映像は、誰もが夢や希望を失いつつある迷走の時代にひときわ異彩を放つ、一大冒険物語に仕上がっている。撮影および監督は主演の2人が自ら手掛けた。詩的な脚本をベンが執筆し、プロデュースを担当したのは、中国で二人の旅に途中参加するベンの弟、ジャック・ウィルソン。全編をアコースティック・ギターの旋律で彩る音楽はベンとジャックの作曲・演奏によるもの。二人の旅をより印象深く謳うナレーションは、『E.T.』『エリン・ブロコビッチ』などで知られる名優ピーター・コヨーテが担当している。
『僕たちのバイシクル・ロード 〜7大陸900日〜』トレイラー
従兄弟のジェイミー・マッケンジーとベン・ウィルソン。イギリスの大学を卒業したばかりの二人はそのときまだ何者でもなかった。彼らは社会に出る前に、今しかできない、そして誰もやったことのない冒険へのチャレンジを思い立った。それは空路を使わない、海路と自転車での「7大陸走破」。一番の目的は世界を心ゆくまで見ること。それには自転車が最適だった。彼らはプロの冒険家ではなく、自転車の専門家でもなかった。長距離旅行をした経験もほとんどないまま、ガイドブックはおろか、さしたる大金も持たずに飛び出した彼らの旅は明らかに準備不足だった。しかし、彼らは湧き上がる冒険心をエネルギーに、持ち前のバイタリティで様々な困難を乗り越え、一歩ずつ夢を実現させていく。
2005年4月6日、イギリスを出発し、英仏フェリーに乗った二人はフランスのダンケルクに到着、そこから自転車でヨーロッパ大陸をロシアのモスクワへ向けて走り、シベリア鉄道で北京へ向かうとそこから再び自転車で、西安を経て四川省の山岳地帯を抜け昆明へ、さらにラオスに入り、マレーシア半島を走ってシンガポールに到着。運よく無賃で乗せてくれるオーストラリア行きの貨物船を見つけて、メルボルンに到着。資金不足に陥った彼らは、そこで旅の過程を小冊子にして街頭で販売するという手段に打って出る。冊子は予想を超えて1万部も売れ、資金を確保した彼らは旅を続行する。さらに二人は南極へ向かう貨物船と交渉し、見事南極大陸上陸に成功、次に南米のチリにたどり着き、北米をめざし、ついにアフリカ大陸のモロッコからタンジールへと走り続ける。
大草原での深呼吸、南極でのペンギンとのサイクリング、灼熱地獄の後のマクドナルドでの休憩、タイでの事故や南米での病気、数百回のパンク等々。7大陸33ヵ国を巡った3年に及ぶ波乱万丈の旅の終わり、二人の若者は、出発時とは比べ物にならないほど自信に満ち、強く、大きく成長していた。