YBP PROJECT「中村輪夢が9位でフィニッシュ 今回のFISE 広島で日本のBMXシーンはどう変わるか」

Posted on: 2018.04.11
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広島を舞台に国内初開催となった「FISE WORLD SERIES Hiroshima 2018」が8日、幕を閉じた。世界中からトップライダーがあつまる世界最高峰のシリーズ戦にエアトリックショーで活躍する国内トップライダー達が参戦。その中で、唯一決勝に駒を進めた中村輪夢が9位に入り、日本のファンの前で日本人ライダーの可能性とBMXコンテストの魅力を存分にみせつけた。


(Photo by FINEPLAY / May Nagoya)

FISE(フィセ)とは「エクストリームスポーツ国際フェスティバル」の略称。毎年、世界各都市で開催され、BMXをはじめ、スケートボードやボルダリング、インラインスケート、パルクールといった多種多様なアクションスポーツイベントが一同に集結して行われるもので、次世代の若者たちへのスポーツを再発見する舞台として注目を集めている。そして今回、会場となった広島市民球場跡地には、3日間で前夜祭も含めると8万6000人が来場し、多くの人で盛り上がった。


(Photo by @cedricderodot-2018 FISE HIROSHIMA)

大会初日は朝からあいにくの大雨で全競技のプログラムが中止。本格的に大会が始まったのは2日目からで男子のBMXフリースタイルパークはいきなり準決勝からのスタートに。

準決勝が事実上の予選となったわけだが、今大会にエントリーした78人の中、決勝に進めるのは12人のみとなり、いきなりシビアな状況で走らなければならなくなった。

しかも雨の影響でライダー達は練習時間がほとんどなかった。さらに、今回のパークは普段とは違い直線的なジャンプランプはなく、非常にコンパクトな作りになっていた。

その中でコース取り、ルーティンなどに試行錯誤するライダー達。ミスなく一本走れるか。それを考えずにはいられなかった。

しかし、大霜優馬が本番前に「今できることをやる」と言ったようにやるべきことは明白だった。FISEが日本で初めて開催されるのだから、その舞台で全てを出しきって楽しむしかない。


大霜優馬 (Photo by FINEPLAY / May Nagoya)

ライダー達に走ることが許されているのは1人2本のみ。それぞれコンディションや調整など、苦戦した部分はあったが「今できること」は出し尽くせたはずだ。

昨年、山梨に移り住み、YBP(Yuta’s Bike Park)でコースビルダーとしての勉強をしながらライダー業をこなしていた大霜優馬は、今年の1月に東京五輪出場を目指し、ライダー業に専念するため実家に戻った。その後、我武者羅に練習を続け、不得意としていた縦回転、バックフリップ等のビッグトリックをしっかり自分のものにして、成長した姿を大舞台で魅せてくれた。結果は53位。それでも彼にとっては、大きな収穫のある大会となったに違いない。

#bmx部 FISE広島が無事に閉幕致しました! 今回、僕は昨年の中国大会同様プロクラスに挑戦しました。 順位的には53位と残念ではありました。 ですが、できる技が幾分増えて、またミスを多くしてしまう事もなく、走りきる事が出来ました! ただ、ノーミスランという事は出来ず、そこがとても悔しく思いました。 また、大会側の都合で、出走順が突然入れ替わってしまい、事前練習とウォームアップが出来ず、予選当日は1分×2回分しか自転車にまたがることのできないという事態もあり、ルーティーンを組みきれずに本番を迎えてしまったので、もっとこうしたかった、あぁしたかったという気持ちも残る大会でした。 そんな中でも、これまで新横浜やRamp Westなどで練習してきた事が活かせて良かったです! また、この機会をお借りして、一つご報告がございます。 昨シーズン、お世話になった @ybp_project を、今年の1月中頃をもって退社していました。 理由は、今回のようなワールドカップや世界選手権等に参加するために更なるライディングスキルの上達や、より多くの練習をするためになります。 ご報告するタイミングを見つけられず、今頃になってのご報告となり、申し訳ございません。 YBPを離れてから今日まで、体調や天候等に影響されない日以外はほぼ毎日練習をしてきました。 これまで出来ないと思っていた技にも目を向けて、練習し、大会で出す事が出来ました。 この判断を快諾してくれた栗瀬 裕太くんに感謝しています。 これからも、もっともっと成長していけるように色々な事に挑戦していきたいと思います。 長文となってしまい、申し訳ありません。 これまで、山梨での生活を応援してくださっていた皆様をはじめ関係者各位様、これを読んでくださった皆様、これからもよろしくお願い致します! 動画は1本目、2本目です! 2本目は映像が切れた後にコケました😂😂

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大会最後に飛んだ日本人ライダーは中村輪夢。中村は準決勝を10位で終え、決勝に進むことができる12人の中では最年少で決勝進出を決めた。決勝では唯一の日本人ライダーということもあって多くの観客が中村に釘付けとなった。その中で会場の期待に応える走りを披露した。


(Photo by FINEPLAY / May Nagoya)

1回目での走りではスリーシックスティートリプルバースピン、さらに得意のスーパーマンを披露。そして2回目は風が舞う中、2段階に作られたアクリルボードの上からから忍者ドロップでスタートすると会場のボルテージは最高潮に。


(Photo by @cedricderodot-2018 FISE HIROSHIMA)

最終的なポイントは77.80で順位は9位。昨年の世界選手権で出した7位は超えられなかったが、自力がより重要視されるFISEでも通用することを見せることができた。

優勝したのはオーストラリアのブランドン・ルーポス。準決勝では12位と決勝進出ギリギリのラインで通過。そのため決勝では最初に飛ぶことになったがここで今大会唯一の90点代となる92.10をマークした。採点競技では初めの方が不利とされている中でこの結果は驚異的と言えるものとなった。


(Photo by @cedricderodot-2018 FISE HIROSHIMA)


(Photo by @cedricderodot-2018 FISE HIROSHIMA)

今大会での大きな収穫は次の次の世代へ刺激を与えられたということだ。目の前で海外ライダーのプレーを見たジュニア世代やローカルキッズへ与えた影響力というものは計り知れないものがあったはずだ。世界基準というものを知った彼らが5年、10年後にどんな花を咲かせるのか。今から楽しみだ。

さらにジュニアだけでなく日本のBMXシーンが大きく変わった歴史的瞬間とも言えるものとなった。決勝では老若男女問わず多くの観客で賑わいをみせ、BMXの魅力を日本人が実感する絶好の機会となった。まさに今、新しい風が吹こうとしている。

しかしここからが重要だ。鉄は熱いうちに打てというように、しっかりと打ち続けなければいけない。それはライダー達が観客をどこまで巻き込んで夢中にさせるかが鍵となる。

その中で観客の応援に応えつづけるべく、飽くなき探究心でもっもっと凄い驚きを見せてくれるだろう。そうであるならば我々もライダーの日々の活動をチェックして鉄の熱が冷めないようエネルギーを与えなければならない。

間違いなく今、日本のBMXシーンは大きな盛り上がりを見せている。今回のFISEを機会にこの先のまだ見ぬ景色をライダーと一緒に作り上げていくしかない。

【主なAIR TRICK SHOW出演メンバーの結果】
・中村輪夢 決勝9位
・高木聖雄 準決勝63位
・大西勘弥 準決勝49位
・西昂世 準決勝42位
・大霜優馬 準決勝53位
・大池水杜 決勝8位
・溝垣丈司 ジュニアクラス優勝

(Text:荒井隆一)

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YBP PROJECT YBP PROJECT/YBP PROJECT(ワイ・ビー・ピー プロジェクト)とは、山梨県の八ヶ岳山麓に造られた国内初となるBMXレースの世界基準コースを備える「YBP(Yuta's Bike Park/通称:八ヶ岳バイシクルパーク)」を拠点に、BMXレースやMTB、フリースタイル競技から五輪メダリストや世界大会で活躍する選手の輩出を目指すプロジェクト。プロジェクトの代表は、初代4X全日本チャンピオンで、BMXレースやMTB、ダートジャンプの現役ライダーである栗瀬裕太(くりせゆうた)が務める。 YBP PROJECT TEAM

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