17-18トラックW杯第1戦 ブノワジャパンは記録更新が続くも世界の壁はさらに高く

Posted on: 2017.11.09

東欧ポーランドで行われた自転車トラック競技のワールドカップ第1戦が5日に閉幕。日本からは男女合わせて10選手が出場し、各選手がこれまでの持ちタイムを上回る等、ブノワジャパン2シーズン目でチーム全体の進化を垣間見せたものの、日本人最高位は、女子ケイリンの小林優香の7位。世界の厚い壁を前に、課題と収穫、両方を持ち帰ったチームジャパンは、舞台をイギリス、マンチェスターに移し10日から始まる第2戦に挑む。


7-12位決定戦で1着を手にした小林優香

■ここ数年、伸び悩んできたタイム記録を次々と更新
女子チームスプリントは、前田佳代乃と太田りゆ)で出場し、34秒257のタイムで日本記録を更新。スプリントでは河端朋之(9秒933)、と脇本雄太(9秒999)の2人が9秒台を出し、新田祐大(10秒119)を含めて出場3選手が予選突破を果たした。

男子チームスプリントには日本からドリームシーカー(長迫吉拓/新田祐大/深谷知広)と、JPC(雨谷一樹/渡邉一成/河端朋之)の2チームが参戦。ドリームシーカーが44秒391で11位。JPCが44秒019で9位となり、2チームともに予選敗退となってしまったが、第1走の長迫吉拓、雨谷一樹ともに、自己ベストを更新した。

雨谷一樹の1周のタイムは17秒546(予選全体4位)。長迫吉拓が17秒586(予選全体5位)。長迫に関しては、最初の半周125mのタイムは予選の中では全体のトップタイムとなる10秒609を叩き出し、BMXレーサーのスタートの強みをみせた。一方、長迫の課題は、後半の伸び。4月〜10月まではBMXにまたがり、ギア比の低い自転車にのっていた長迫にとっては、トラック競技の大きなギアに慣れるまでには、少し時間がかかると同時に、これまで誰も挑戦してこなかったBMXレースとトラック競技の両立の難しさも感じながらの戦いとなっている。


長迫、新田、深谷で挑んだドリームシーカー

一方、雨谷も昨シーズンから体重をおよそ4kg絞り、ウェイトトレーニングもより多く取り入れ、肉体改造を行ってきた。また、ブノワ氏の教えをもとに第1走にフォーカスしたトレーニングを行うことで、精神的な迷いも無くなったという。結果、雨谷はワールドカップの舞台でついに自己ベスト17秒6を更新した。日本チームの発射台になるべく、さらなる記録更新を目指すことになった。


JPCは雨谷が自己ベスト更新。2走渡邉も好タイムを出すも河端がタイムを落とし9位予選敗退。

これまで日本にとって、チームスプリントの課題は第1走とされていたが、昨年、BMXレーサー長迫吉拓がトラックチームに加わったことにより、雨谷にライバルが出現し第1走の代表争いが加熱。2人の良いライバル関係がチームスプリントの可能性を大きく広げようとしている。果たして第2戦では、どんな走りを見せてくれるのか。

詳細リザルト:http://www.tissottiming.com/Sport/CT

【2017-2018 トラックワールドカップ第2戦】
大会期間:2017年11月10日(金)~11月12日(日)
開催地:イギリス マンチェスター

<2017-2018 World Cup 第1戦 主なリザルト>
【男子チームスプリント】
優勝 オランダ  42秒906 (決勝戦のタイム)
2位 フランス  43秒528 (決勝戦のタイム)
3位 イギリス  43秒192 (3位決定戦のタイム)
9位 JPC(雨谷/渡邉/河端)  44秒019
11位 ドリームシーカー(長迫/新田/深谷) 44秒391   

【女子チームスプリント】
優勝 ドイツ  32秒668(決勝戦のタイム)
2位 オランダ 33秒238(決勝戦のタイム)
3位 ロシア  32秒631(3位決定戦のタイム)
12位 JPC(前田佳代乃/太田りゆ)  34秒257(日本記録更新)

【女子スプリント結果】
優勝 K.フォーゲル (ドイツ)
2位 S.モートン (オーストラリア)
3位 M.グロ (フランス)
19位 小林優香 (日本ナショナルチーム)
24位 前田佳代乃 (JPC)

【女子ケイリン結果】
優勝 K.フォーゲル (ドイツ)
2位 SHMELEVA Daria (ロシア)
3位 S.モートン (オーストラリア)
7位 小林優香 (日本ナショナルチーム)

【男子ケイリン結果】
優勝 M.ブフリ(BEAT CYCLING CLUB)
2位 J.アイラース (ドイツ)
3位 S.ビジエ (フランス)
11位 新田 祐大 (ドリームシーカー)
12位 脇本 雄太 (日本ナショナルチーム)
30位 渡邉 一成 (JPC)

【男子スプリント】
優勝 M.グレッツァー (オーストラリア)
2位 RUDYK Mateusz (ポーランド)
3位 E.ドーキンス (ニュージーランド)
15位 河端朋之(JPC)
22位 脇本雄太(日本ナショナルチーム)
28位 新田祐大(ドリームシーカー)

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