YBP PROJECT「BMXライダーたちの挑戦の後押しに!YBP GAMESで自転車アクションスポーツの可能性を広げる」

Posted on: 2017.10.18

9月30日、山梨県のBMX・MTBパーク「YBP(Yuta’s Bike Park)」でYBP GAMES 2017が開催。国内唯一の8mスタートヒルを使用したBMXレースとダートジャンプコンテストには、今年は国内のトップライダーだけでなく、世界のトップフリースタイルライダー、ケビン・ペラザ(MONGOOSE)やマイク”ハッカー”クラーク(S&M)等も参戦を果たし大会を盛り上げた。BMXレースの優勝者は吉井康平(HARO)、ダートジャンプ・ワールドチャレンジではマイク”ハッカー”が優勝し、日本人トップには15歳の大霜優馬(DURCUS ONE BIKES)がたった。

9月30日(土)、YBP GAMES 2017が今年も開催された。YBP GAMES は2015年から始まり、初年度は雨で中止になったため、今年で2回目の開催となる。

YBPを運営する一般社団法人YBP PROJECTは、「世界に挑戦するライダーの後押しとなる大会にしたい」という思いを胸にイベントを立ち上げ、今年2年目を迎え、様々な新しい取り組みを実施した。

■国内BMX界では初のライブ配信を実施

まずはライブ配信だ。今大会では昨年MCを務めたワダポリスに加え、MCピーナッツが加わった。そしてMCピーナッツがライブ配信でレポートを務め、出場した選手の知られざる素顔を伝え、普段BMXに馴染みのない人にもわかりやすい説明で、競技の魅力もしっかりと伝えた。

国内BMX界で、この規模でライブ配信を行ったのは初めてのこと。国内では入場料を払ってBMX競技を見るということに対してまだまだ馴染みがない中、今後、より多くのファンを増やすためには、会場に足を運べなかった人にたいして、いかにして会場の興奮を届けるかが大きな鍵を握っている。より多くのファンを増やし、多くの人に見てもらうことが、何よりライダーたちの力となり、大きなモチベーションになるからだ。

◇YBP GAMES 2017 ライブ配信アーカイブ

■賞金総額100万円超。チケットはクラウドファンディングで販売し全額を賞金に!

さらに今大会では、クラウドファンディングで集まったお金を賞金にするという取り組みが行われた。そして、当日のチケットや観客のカンパなどを合わせた金額が最終的に賞金となるのだが、午前中の時点で昨年より約3倍もの観客が入るなど大会が大いに盛り上がりを見せたこともあり、昨年の賞金総額100万円を上回る結果となった。

もちろんこれも主催者であるYBP PROJECTの思いが詰まった取り組みの1つ。世界に挑戦するライダーにとっては活動費は大きな課題だ。そこでその活動費を少しでも捻出させるために入場料はすべて賞金に還元。つまり、観戦者であるお客がスポンサーとなり、そのスポンサーの前で最高のパフォーマンスを見せるという仕組みを取り入れている。

さらに、国内では賞金レースが少ない日本人ライダーたちに、自分たちのパフォーマンスを通じて、賞金が獲得できるという大きなモチベーションをもってもらうことも、ライダーの活動の大きな後押しになるという考えだ。

最終的に割り振り当てられたのは以下の通り。(クラウドファンディングhttps://camp-fire.jp/projects/view/38575

【BMXレース & ダートジャンプ入賞選手への賞金】
1位 20万4646円
2位 10万2323円
3位 5万1162円
尚、各出場ライダーにはスターティングフィー(出場賞金)が贈られます。
(BMXレース出場選手には19,186円、ダートジャンプ出場選手は21,926円)

賞金の計算方法はこちらhttp://www.ybp-games.com/pages/115051/Rules

そして、ダートジャンプも昨年と比べグレードアップした。今大会ではなんと「ダートジャンプ ワールドチャレンジ」と称し、今大会で総合優勝を果たしたマイク”ハッカー”クラークなど、5名の世界トップライダーが海外から集まった。


マイク”ハッカー”クラーク Photo by Motoyoshi Yamanaka

しかも彼らは1人3トライのチャレンジを終えると、プログラムの予定にないサービスジャンプを行い、会場を大いに盛り上げた。

その中で、もちろん日本人選手も負けてはいない。BMXレース、ダートジャンプ ワールドチャレンジ(日本人表彰)で表彰台に上がった3名のライダーにフォーカスを当てたい。

■BMXレース優勝は決勝大逆転の吉井康平

まずは、BMXレースから。今大会、優勝したのは吉井康平だ。初戦は海外を主戦場とする池田大暉の激しいぶつかりにもろともせず勝利を飾り、準決勝では後輩の中井飛馬に先輩としての意地をしっかり見せ、決勝へ進んだ。

決勝では吉村樹希敢にリードを許すも、第2コーナーに差し掛かるバームで吉村を差し、そのまま一気にゴールへと向かった。


吉井康平が第2バームで吉村樹希敢を差した瞬間 Photo by Motoyoshi Yamanaka

<Movie:BMXレース決勝レース>
吉村樹希敢(大阪・ファン投票1位) vs 吉井康平(東京・ファン投票5位)

(Movie by SYSTEMATIC BMX)

2位には吉村樹希敢が続いた。昨年は本来の力を発揮できず苦い思いをした。今年は準決勝で山口大地の追い上げをもろともしない走りを見せるなど、彼本来の実力を見ることができた。優勝こそ逃したが、今年は納得のいく走りができたのではないだろうか。

そして、惜しくも3位になったのは山口大地。昨年の大会ではダークホースの存在になり、決勝では僅差で敗れたが準優勝という好成績を残した。それもあって今大会では優勝候補の一角として注目されていたが、昨年の雪辱を晴らすことはできなかった。しかし、まだ19歳と山口には伸び代がたくさんある。先輩ライダーを越す今後の活躍に注目したい。


Photo by Motoyoshi Yamanaka

■ダートジャンプ日本人トップは大霜優馬!同級生、中村輪夢の連覇を阻む

続いてはダートジャンプ ワールドチャレンジのトップ3の紹介をしたい。午前に行われた日本人予選では、予選突破した上位5名がなんとファン投票の順位と全く同じ結果となった。

それもあり、今年も中村輪夢の連覇が予想されていたが、優勝したのは大霜優馬だった。大霜は今春からYBP PROJECTの運営メンバーとして活動しており、普段YBP PARKを利用している子どもたちからは「お兄ちゃん」として慕われている。

そんなこともあってか、試合中は声援がたくさん集まり、それが後押しになってかアマチュアエリアのセクションでしっかりと磨いた大技を存分に披露することができた。


ダートジャンプ日本人順位1位の大霜優馬 Photo by Motoyoshi Yamanaka


優勝こそ逃したが誰にも真似できないトリックで会場を沸かせた中村輪夢 Photo by Motoyoshi Yamanaka

そして2位には昨年優勝した中村輪夢が続いた。午前中の予選では外国人ライダーに引けを取らないトリックを披露したが、本戦では3トライのうち2トライで完走することができなかった。だがこれは攻めた結果でもあるため、この中村の新たな挑戦が成し遂げられた時、海外ライダーと肩を並べられるのではないだろうか。


Photo by Motoyoshi Yamanaka

そして3位にはこのYBPを作り上げた栗瀬裕太が表彰台に立った。大会ではMCを務めるなど、運営側として動き回る中での走りだったが、得意のターン、スリーシックスティー、バックフリップなどを華麗に決め、レジェンドの威厳を見せつけた。


栗瀬裕太がカメラマンとタッチする瞬間 Photo by Motoyoshi Yamanaka

国内でも限られたライダーしか下ることのできない高さ8mのスタートヒル。そのスタートヒルを高速でかけぬけてスピードを競い、また、国内では見たことのないビッグジャンプで技を繰り出し独自のスタイルを披露するライダーたちのパフォーマンスは、観戦者の目にはどのように映っただろうか。

憧れ、尊敬、といった感情で自分のライディングに照らし合わす人。興奮の中で、超人的なパフォーマンスに感嘆の声をもらす人。アクションスポーツならではのド派手なパフォーマンスは、必ずや見た人々の心にド直球に何かを突き刺し、強く何かを刻んだに違いない。

さらに、他の競技にはない、コンパクトさ、わかりやすさも兼ね備えたBMXならではの魅力をYBP GAMESを通じて存分に引き出すと同時に、その可能性を広げる大会にもなったのではないだろうか。

今大会もYBPに関わるみなさまのおかげで大会を行うことができ、会場に老若男女問わずたくさんのお客さんが訪れた。今回もまた、BMXの普及、発展に繋がるものとなったと信じたい。

本イベントに関わって頂いた皆様に、最大限の感謝をさせていただくとともに、次に向けた歩みをスタートしたい。


YBP GAMES 2017 出場ライダー Photo by Motoyoshi Yamanaka

AUTHOR PROFILE

YBP PROJECT YBP PROJECT/YBP PROJECT(ワイ・ビー・ピー プロジェクト)とは、山梨県の八ヶ岳山麓に造られた国内初となるBMXレースの世界基準コースを備える「YBP(Yuta's Bike Park/通称:八ヶ岳バイシクルパーク)」を拠点に、BMXレースやMTB、フリースタイル競技から五輪メダリストや世界大会で活躍する選手の輩出を目指すプロジェクト。プロジェクトの代表は、初代4X全日本チャンピオンで、BMXレースやMTB、ダートジャンプの現役ライダーである栗瀬裕太(くりせゆうた)が務める。 YBP PROJECT TEAM

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