腰山雅大「続、チューブレスタイヤ考察。組み合わせ編。」

Posted on: 2017.03.03

WNP(ワールドネイチャープラザ)が「砂のコース」としてはっきりブランディング出来ているということは先のポストで書いてみましたが、このコースの対策として低圧で転がりの良いタイヤというのが定番です。

カテゴリーに関わらずIRCさんのサンドタイヤが人気で、実はC1でもかなりのシェア率を誇っていました(ざっと数えただけでも半数以上はIRCサンドだった)つまりは、TLユーザーがそれだけ多いということ。上位カテゴリーだと普段TU運用していても、ここぞというときはTLを使うという選択肢も用意しているのだと思います。

で、僕は今回前後“Gravel King SK”を選択しました。先日のFBでも書いたのですが、Panaracerのアンバサダーとして活動することになったので色々試行錯誤を考えています。

そもそもこのGravel King SKというモデル、32Cサイズはチューブド設定なのです。メーカーに再度確認しても「チューブレス仕様ではありません」との回答。

はっきり言って「チューブドで低圧」は僕の乗り方だとリスクが高い。ひどい時は1.2barとかで乗るので。ですが他サイズではチューブレスコンパーチブルになっている点と、実際にやってみて出来たという文献がウェブに以前転がっていたので自己責任でトライしてみることにしました。

まず注意しておきたいのは、市販のTLリムであってもビードが乗る部分の径がメーカーによってマチマチということ。となるとタイヤメーカー側のサイズも必然的に、どのメーカーに標準を合わせるかで変わってくるでしょう。

例えば国内シェアがメインであればSHIMANOを基準にするでしょうし、それに合わせて必然的にタイヤのビードも小さくなる。または北米がターゲットとなるとStan’sとかが基準に。Stan’sは径が大きいのでタイヤビードは緩めになるわけです。

リム側の径が小さいものに、タイヤビード径が大きいものを合わせればエアが漏れてビードが上がらないし、逆にリム径大でタイヤビード小だと今度はリムにビードが乗らずに上がらない問題が発生します。

どのタイヤとどのリムの組み合わせが良いかは経験値です。いま使っているリムは比較的ビード径が小さく、Gravel Kingは逆にビード径が大きい。実際ビードからエアが逃げて上がりにくいし、上がっても横からの力に弱い。なので、リムテープを余分に巻いてリム側の径をアップして対応。うまくTL化出来ました。

例えば、タイムライン追っててても「ビード上がらなかった、このタイヤダメだ」なんて話を目にしますが、どこのリム使っててどういう現象が起きてるんだろうなぁーなんて思いつつ、わざわざ尋ねるほどお節介でもない。事象を研究せずにダメという結論を立ててしまうのは勿体ない気もしますが。

この日は砂の上を前後1.4barで走行。どうだった?と言われると感想を正しく伝えるのって難しいですね。特に先述、WNPは路面状況がとても良いので、反面タイヤに掛かる負担が低いので、テストケースとしては適していないかもです。

とは言え、ノブのコンパウンド柔らかいし、センタースリックのTUと比べてもかなり縦横のグリップを感じました。ここだけの話、CX東京で使おうと準備していたのですが、使ったこと無いタイヤでリスク負うのが嫌で直前に別のタイヤにしてたんです。これだけ安心出来るタイヤなんだったら、わざわざハメ替えなキャよかったな・・・と後悔もあったり。

チューブを入れた状態、または本来の戦場であるグラベルロードでの使用感もまたレポートしてみたいと思います。

そういや、チューブレスに出来るかどうかという見解に対して、物凄く面白い表現をされてたのがこれ。これも良く考えるとPanaracerですね。

AUTHOR PROFILE

腰山雅大 こしやま まさひろ/1986年4月10日生まれ。兵庫県出身。 '00年、BMXと出会う。競技を続ける傍ら、BMX専門誌への寄稿、コンテストでのジャッジ、MC、競技大会の主催など、マルチに活動をする。'14年にシクロクロスを始める。変速機のないシングルスピードの車両(SSCX)で参戦を続け、現在カテゴリー1を走る。'15年からアメリカ、ミネアポリスの自転車ブランド “All-City Cycles” のライダーとして活動をする。趣味はコーヒー。 ◆筆者の公式ブログはこちら ◆筆者のInstagramはこちら

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