スポンサードリンク

栗村修「プライド」

Posted on: 2017.02.23
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク

昨日は、発足9シーズンを迎えた『宇都宮ブリッツェン』の『チームプレゼンテーションパーティー』に出席してきました。プレゼンテーションパーティーの前には恒例の記者会見が実施され、その中で、以前からお伝えしていた『宇都宮ブリッツェン育成システムUp B-ling System』の詳細が発表されました。

非常によく考えられたシステムですので、改めてこの場を借りて皆さんにもお伝えしたいと思います(他の地域でも参考にできる育成システムだと思うので…)。

まず、『Up B-ling System(アップビーリングシステム)』 という名称についてですが、以下の様な語源から設定されたとのことです。

UP=Utsunomiya Pride
upbringing=育成
B-ling=BLITZEN + RING(輪)繋げた言葉

一種の言葉遊びですが『よく考えられているなあ』と関心してしまいました。こういった言葉遊びは実は世の中の重要な部分に数多く取り入れられており、『なにか』を進めていく時には大切な要素となってきます。

それは周囲への周知と、そのプロジェクトが持つ『フィロソフィー』を簡潔に説明する機能を兼ね備えているからです。そして、肝心のシステムの中身についてですが、以下の様なピラミッドを用いて説明されました。

ピラミッドの上部から『宇都宮ブリッツェン(プロチーム)』、『ブラウブリッツェン&作新学院大学自転車部(下部育成チーム)』、『ジュニアクラブ(発掘スクール)』、『自転車安全教室(総受講者数延べ40,000人)』となっています。

見ての通り、すべての年代にアプローチできるピラミッドが創りあげられています。

また、これらは決して『絵に描いた餅』ではなく、すでに多くの部分が実際に稼働しはじめており、一部実績も生み出しはじめています。

例えば、下部育成チームの『ブラウブリッツェン』出身選手がすでに3名『宇都宮ブリッツェン』への昇格を果たしており、そのうちの2名は『アンダー23日本代表』として国際大会へも出場しています。

この記者会見用資料をみていて印象的だったのは『いつまでも待ってられないので宇都宮の中でシステムを創ってしまえ』という心意気がヒシヒシと伝わってきた点です。

現状、国内には『幼稚園児からプロ選手まで』を同じ枠のなかで戦略的に扱っているシステムというのはこれ以外に存在していません。

もっと言えば、栃木県内には、世界のスター選手が集う『ジャパンカップサイクルロードレース』があり、UCIステージレースの『ツール・ド・とちぎ』があり、更に多くの『Jプロツアー』各戦が実存しています。もちろん、一般参加型のサイクリングイベントも数多く開催されています。近年は県内で『シクロクロス』も盛んになってきています。

自転車をスポーツとして楽しむファンがいて、自転車を主要コンテンツとして取り上げるメディアがいて、それらを支えるスポンサーが存在する。

よく、『なぜ宇都宮(栃木県)は自転車が盛んなのですか?』という質問を受けることがあります。

その質問に対しては以下の様に答える様にしています。『皆さん自転車が大好きで、そして、大好きな自転車をつかって地域を盛り上げようと真剣に考え行動を起こしているからです…。』

本来は、私も含めた『自転車人』たちが命を懸けて取り組まなくてはならないことを、彼らがリスクを負って実践してくれているわけです。企画書のなかに『宇都宮プライド』という言葉が使われていましたが、自転車人たちにとっての『自転車プライド』も、負けずにもっともっと大きくなっていくべきだと感じます。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

栗村 修の新着コラム

NEW ENTRY