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栗村修「FIFAクラブワールドカップ2016にみた必然性」

Posted on: 2016.12.21
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昨日、『横浜国際総合競技場』にて決勝戦が開催された『FIFAクラブワールドカップ ジャパン2016』。

『開催国代表(開催国チャンピオンチーム)』として出場した『鹿島アントラーズ』が、約10日間の開催期間中に4試合をこなさなければならない強行スケジュールのなか見事決勝まで勝ち上がっていき、『ヨーロッパ代表(UEFAチャンピオンズリーグ優勝チーム)』の銀河系軍団(表現が少し古いですが…)『レアル・マドリード(スペイン/リーガ・エスパニョーラ)』と歴史に残る激闘を繰り広げられました。

6大陸の選手権王者がトーナメント方式で優勝を争う形の『FIFAクラブワールドカップ』ですが、元々は『欧州王者vs南米王者』の『一騎打ち(トヨタカップ)』の頂上決戦であり、どうしても2大大陸以外のチームというのは、形骸化しているというか、なんとなく違和感を覚える『クラブ世界一決定戦』だったのは否めないところでもありました。

更に、『開催国代表枠』については、勝ち上がらないことが前提というか、そもそもの 『各大陸王者同士の頂上決戦』 というコンセプトを曲げかねないシステムであり、新しいものを創る過程では様々な紆余曲折を経る必要があるとはいえ、『ちょっぴり強引ですね(汗』 と心の奥底で感じたりもしていました…

しかし、決勝での『鹿島アントラーズ』の素晴らしい戦いを観て、そんな気持ちがすべて吹き飛んでしまいました!

『レアル・マドリード』のエース、クリスティアーノ・ロナウド選手の年収(チームからの年俸ではなく)は、アメリカの経済誌『フォーブス』によると90億円とも報じられています。

一方、『Jリーグ王者』である『鹿島アントラーズ』の年間予算は約45億円と決算資料で報告されており、ロナウド選手一人の年収の約半分となっています…

それにも関わらず、『鹿島アントラーズ』は『レアル・マドリード』を間違いなく焦らせ、本気にさせていました。

また、『鹿島アントラーズ』がすごいのは、試合の大半を日本人選手(監督も日本人)のみで戦っていたことであり、『Jリーグ発足24年間』で積み上げてきたことの大きさを改めて感じることができました。

『選手発掘(他のスポーツからの人材の流入)』、『選手育成(青少年教育も含めた)』、『高度なスポーツビジネスの構築』などなどの要素を重要視し、いわゆる 『試合に勝つんだ!』、『メダルを獲るんだ!』 といった近視眼的スポーツ脳発想に陥るのではなく(もちろん選手たちを中心とした現場はそれでいいのですが…)、愚直に長期フィロソフィーを追求してきたことが、いまを創り上げているのはいうまでもありません。

『Jリーグ』が『一過性の盛り上がりをみせた他のスポーツ』と違うのは、長期的に機能するシステムの上に成り立っている点です。ビジネスモデルを含めた高度なシステムが構築されている状態でスポーツとしてのパファーマンスを残しているわけで、『結果』が『経済効果』や『次なる人材獲得』にしっかりと結びついていきます。

そういった意味で考えると、今回の『鹿島アントラーズ』のパフォーマンスというのは、長期的な視野でみれば『必然』の部分も多々あるのかもしれません。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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