トラックW杯第3戦 オムニアムで窪木が12位、ケイリンで脇本が5位に入り五輪ポイント上積み

Posted on: 2016.01.20

1月15日〜17日、香港で開催されたUCIトラックワールドカップ第3戦が幕を閉じ、オリンピック出場枠をめぐる戦いはいよいよ佳境を迎えている。初日のチームスプリントで韓国と中国より順位を落とし、厳しい戦いとなった日本代表は、2日目にケイリンに出場した脇本雄太が連勝で決勝に勝ち上がり5位。また、複合種目オムニアムに出場した窪木一茂は12位、塚越さくらが11位と健闘し、国別ランキングをそれぞれあげ、オリンピック出場枠獲得にむけて結果を残した。

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大会2日目に行われたケイリンには日本からは渡邉一成と脇本雄太が出場。渡邉は1回戦、敗者復活戦ともに敗退。一方、脇本雄太は、1回戦を捲りで、2回戦を逃げ切りで、それぞれ1位通過し決勝へ進出した。

決勝は、積極的に前にでるものの内側に包まれ、勝負どころで後方から追う展開となり、脇本は5位でレースを終えた。この結果、ランキングが16位から12位に浮上。渡邉を上回り、五輪出場にむけて国内選考でも優位にたった。

女子オムニアムに出場した塚越さくらは、3種目目の500mタイムトライアルで35秒677を叩き出し、3位のタイムで順位をあげ、結果6種目を終え11位でフィニッシュした。

また男子オムニアムに出場した窪木一茂は、2種目目の個人追い抜きで19位となり順位を落としたが、最終種目ポイントレースで得点を伸ばし、最終的に12位でレースを終えた。目標の10位には届かなかったが、国別ランキングを20位から17位にあげ、オリンピック出場枠獲得にむけて国別ポイントの上積みに成功した


写真:5種目目、フライングラップでのスタートシーン

2015年のロードレース全日本チャンピオンであり、2016年よりNIPPO・ヴィーニファンティーニに加入した窪木一茂は、現在、トラック競技の中長距離の選手として、日本代表チームの一員となり、橋本英也(NIPPO所属)らとともに、トラック競技の「オムニアム」でリオオリンピック出場、またそこでの活躍をめざして、世界を転戦している。

「オムニアム」は、2012年のロンドンオリンピックより、オリンピックの正式種目に採用された複合種目で、一人の選手が二日間の日程で6種目(スクラッチレース、個人追い抜き、エリミネーションレース、1kmタイムトライアル、フライングラップ、ポイントレース)を走り、獲得ポイントを競う競技。

今回のワールドカップ香港大会では、2011年のロードレース世界チャンピオン、世界のトップスプリンターであるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)がリオオリンピックをめざして参戦し、世界的に大きな注目を集め、レースもハイレベルなものとなった。

■窪木一茂のレポート
今大会の目標は、トップ10の成績を残すこと、世界選手権の出場権利を獲得することでした。一種目目のスクラッチで10位に入り、途中で順位を下げてしまいましたが、最後のポイントレースで順位を挽回でき、12位でゴールできました。トップ10には届きませんでしたが、この結果により、日本の世界選手権出場枠獲得が大きく近づき、良かったと思います。

今回の結果は満足していません。練習どおりの走りを発揮できず、タイム種目で順位を落としてしまったことは反省点です。しかし、レース種目である、スクラッチ、エリミネーション、ポイントレースの3種目では世界との差はそこまでは感じていません。経験を積んでいけば、もっと上位に食い込めるチャンスが、オムニアムにはあると思っています。

世界選手権出場に近づきましたが、出場枠を獲得できた場合でも、世界選手権に出場する選手が確定しているわけではありませんが、いつでもレースで力を発揮できるよう、明日からもトレーニングに集中して取り組んでいきたいと思います。


写真:23カ国が参加したワールドカップ第3戦オムニアム。トップレースで活躍するロード選手も多く出場している

トラック日本代表は、1月26日より日本・伊豆ヴェロドロームで開催されるトラック競技のアジア選手権に出場する。

アジア選手権終了後、窪木はオーストラリアにて所属チームと合流。1月31日のカデル・エヴァンス・グレートオーシャンロードレース、2月3日〜7日のヘラルドサンツアーに出場する予定。オーストラリアの2レースでは、福島晋一が監督として指揮を取り、新加入の小石祐馬も今季デビュー戦を迎える。

■アジア選手権 ホームページ
http://cycling-championships.asia/

情報・写真提供:NIPPO・ヴィーニファンティーニ

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