栗村修「Jリーグクラブ×自転車」

Posted on: 2016.01.10

昨日、長崎県の諫早市へ行って参りました。今回、長崎県を訪れた理由というのは、長崎県を本拠地とするサッカーJリーグ加盟クラブである『V・ファーレン長崎(ヴィ・ファーレンながさき)』のチーム関係者より、『長崎で自転車関連の事業を行いたい』とのお話しをいただいたからです。

私自身はこれまでも、チームミヤタの監督時代に、同じ湘南地区を本拠地としていた『湘南ベルマーレスポーツクラブ』と提携を結んだり、宇都宮ブリッツェン監督就任中にも、栃木県のJリーグ加盟クラブである『栃木SC』との業務提携があったりと、プロスポーツとしては偉大な先輩にあたるJリーグチームとのコラボレーションをいくつか経験してきました。

今回お話しをいただいた 『V・ファーレン長崎』は、2013年に『J2』への昇格を果たしたまだ若いJリーグ加盟クラブではありますが、元サッカー日本代表の高木琢也監督の指導のもと1年目から快進撃をみせ、すでにJ1昇格プレーオフ圏内となる6位以内を経験するなどの活躍をみせています。

ちなみに2015年シーズンは 『J2』で年間順位6位となっています。

また、すでにJリーグクラブライセンスでは『J1ライセンス』が交付されているとのことで、あとは結果を残せば『J1』へ昇格できるという有力クラブでもあります。

そんな『本業のサッカー』に於いて上昇気流に乗るクラブですが、敢えてこのタイミングで運営会社として『新規事業となる自転車』にエネルギーを費やすところにサッカー界の懐の深さを感じます。

口頭レベルではありますが、『自転車チームも創れたらいいですね』といった会話も飛び出しました。

現在『自転車だけで精一杯』の我々にとっては、クラブの運営会社として将来の展開を他のスポーツへの参画を含めて多角的に見通している彼らの行動力と視野には学ぶべきところがたくさんあります。

これまでも何度か考えたことのある発想ではありますが、全国のJリーグクラブに『地域密着型自転車チーム』を併設するというのは、ある意味で現実的な選択肢の一つであることは間違いのでしょう。

AUTHOR PROFILE

栗村 修 くりむら・おさむ/1971年横浜市出身。15歳から本格的にロードレースをはじめ、高校を中退し単身フランス自転車留学。帰国後シマノレーシングで契約選手となり、1998年ポーランドのプロチーム「ムロズ」と契約。2000年よりミヤタ・スバルレーシングで活躍した後、2002年より同チームで監督としてチームを率いた。2008-09年はシマノレーシングでスポーツディレクター。2010年より宇都宮ブリッツェンにて監督。2014シーズンからは、宇都宮ブリッツェンのテクニカルアドバイザーを務めた。現在は、一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役につき、ツアー・オブ・ジャパン大会副ディレクターとしてレース運営の仕事に就いている。JSPORTSのロードレース解説をはじめ、競技の普及および日本人選手活躍にむけた活動も積極的に行なう。 筆者の公式ブログはこちら

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