腰山雅大「全日本シクロクロス選手権を走ってきました」

Posted on: 2015.12.08

2015年12月6日、長野県飯山市で開催された全日本シクロクロス選手権を走ってきました。

シクロクロスという競技において100名出走最後尾スタートというのは、ある意味で死を宣告されているのと同義であるわけです。最小で幅が3メートルしかないコーステープの内側に “連なった” 選手たちを交わして前へ出ることなど可能なのでしょうか。そもそも周りの彼らが僕より速くない約束など、どこにもない。

ましてやこれが全日本選手権ともなると、緊張でまともに身動きが取れない。取れない、ながらもパンッと鳴って出走をしてしまえば、そこに居合わせた観客たちの熱い声援を受けることとなり、結果彼ら彼女らに目を覚ましてもらうのである。


photo : 春日部写真店

■結果は・・・?

結論から言えば、72位/97名。DNSが2名あったとのことなので、最後尾から23名を交わすことが出来ました。それが良いか悪いか、レース前から順位を上げるには忍者戦法くらいしか手立てが無いと考えていなかったわけですが、実際にソレはトライして成果を上げることが出来たので満足しています。

キャンバー手前の段差はバニーホップでクリアして、バンクをプッシュして登り切る。そのあとは泥に惑わされる集団を横目に、キャンバーの最上部を進むという、荒技。

■シングルスピードという選択


photo : KeiTsuji

シングルスピードで全日本を走る、という少し前に湧いて出た僕の野望は、ある程度のスピードで達成することが出来ました。もちろん舗装路の直線は涙が出るほど辛かったし(ケイデンスは酷かったなぁ)立ち上がりは遅いし。

けれど本音を言えば「SSCXで全日本を走ると(いろいろと)どうなってしまうんだろう」という興味、がそうさせたのです。今のところ自身の満足感と少ないTSSを稼いだくらいですが、落ち着いて考えればシングルスピードの可能性を少しだけ膨らませることに貢献出来たかもしれない。

もしあなた(かもしくはその友達)がシングルスピードでシクロクロスというレースを走ろうとしているのであれば、過去にそれで全日本を走ったバカもいるという話を思い出してみてほしいです。

■何を得たか・・・


photo : KeiTsuji

シクロクロスの勘所はレースに出ることである、というのは何度もここに書いているけれど、レースを走れば数値で表現出来るほど経験値が溜まってゆくのです。今回は関西クロスの烏丸の経験が大いに行かせたし、もしくは今回のコースが次のどこで試すことが出来るか楽しみ。

そして何よりも全日本とは少し特殊で、どんなに事前の準備や緊張で辛くとも(もしくはそれが辛ければ辛いほど)レース後の清々しさは他の何をも凌駕してしまう感じがあるのです。

まだシーズンは折り返し。このあと参戦予定のレースを書いて、締めとしたいと思います。

12/13 日 関西CX #6 東近江
12/20 日 関西CX #7 泉佐野りんくう
12/23 水 関西CX X’mas くろんど
12/27 日 東海CX 各務ヶ原
1/10 日 関西CX #9 希望ヶ丘
1/17 日 関西CX #10 堺
1/24日 Crifford スクールクロス
1/31 日 関西CX #11 桂川
2/7 日 四国CX さぬきクロス
2/21 日 四国CX 西阿波
2/28 日 東海CX ワイルドネイチャー
3/6 日 中国CX 岡山吉備

AUTHOR PROFILE

腰山雅大 こしやま まさひろ/1986年4月10日生まれ。兵庫県出身。 '00年、BMXと出会う。競技を続ける傍ら、BMX専門誌への寄稿、コンテストでのジャッジ、MC、競技大会の主催など、マルチに活動をする。'14年にシクロクロスを始める。変速機のないシングルスピードの車両(SSCX)で参戦を続け、現在カテゴリー1を走る。'15年からアメリカ、ミネアポリスの自転車ブランド “All-City Cycles” のライダーとして活動をする。趣味はコーヒー。 ◆筆者の公式ブログはこちら ◆筆者のInstagramはこちら

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