橋川健「欧州の現実と日本人選手のポジション」

Posted on: 2015.04.07

Maxime Farazijnと言う94年生まれの選手がいる。そのお父さんはロットなどで名アシストとして活躍していたPeter Farazijn。ペーターと面識があった事とマキシムが昔僕が所属していたコルトレイクのチームに所属していた由縁で、マキシムの成績や活躍はチョコチョコ追っかけていた。

そのマキシムがTriptique des Monts et Chateaux(2.2)のレース最終日で区間優勝。因みに彼が所属するチームはエティックスの育成チームだが、コンチネンタル登録を行っていないアマチュアクラブ。

先日キナンがノルマンディに参戦していたが、そこに参戦していたBMCも育成チームでありコンチネンタル登録を行っていないアマチュアクラブだ(そもそもプロツアーチームは第2カテゴリーのレースに参戦できない)。

ヨーロッパでプロを目指すと言う事は彼らとの戦いを勝ち抜いていく事であって、U23と言う年齢は既に待った無しで結果を求められる事を再認識した。

日本人選手の場合、慣れない文化やレースを学ぶのに確実に欧州選手より数年は成長が遅れる。そこに猶予を与えたとしても欧州UCIレースで最低でもポイントを獲得するくらいの成績を目標にしていかなくてはならない。

因みに昨年ヨーロッパツアーでUCIポイントを獲得した日本人選手は宮澤選手、新城選手以外にはいない(と思っていたら土井選手がツールドポルトガルで入賞していたのを失念していました。失礼しました・・・)

過去5年まで遡っても別府選手、土井選手、竹之内選手が加わるくらいしかいないと思う(別府選手も新城選手もプロツアーを主戦場としているのでヨーロッパツアーでポイントを稼ぐ事を考えていないと思うけれど…)。

今年、チームユーラシア-IRCタイヤではU17,U19,U23,コンチチームとそれぞれのカテゴリーに関わっていくが、欧州の現実をきちんと見極め、日本人選手のポジションを確認し目標に向かって進んでいかなければならない・・・と今更ながら強い覚悟のようなものを感じた。

そしてプロを目指すと公言している選手達には強い覚悟を持ってきて欲しい。

Maxime wint laatste rit in de triptique des monts et chateaux

Posted by Peter Farazijn on 2015年4月6日

AUTHOR PROFILE

橋川健 はしかわ けん
/1970年5月8日生まれ。千葉県出身。
 20歳で全日本アマチュア選手権で2位に入賞。その後、渡欧しベルギーのクラブチーム”G.S.Kotrijk”に所属。翌年にクラシックレースで海外初優勝。1995年にトニステイナーと契約しプロレーサーとして欧州で本格活動。1999年以降、国内に戻りブリヂストンアンカー、マトリックスパワータグで活躍し、全日本プロフェッショナル選手権優勝、ツールド北海道総合優勝するなどの成績を残す。2010年には若手育成チーム、チームユーラシアの監督を務め、シクロクロス日本王者、竹之内悠などの実力者を輩出。2015年よりニュージーランド籍のコンチネンタルチーム「チャンピオンシステム」の監督を就任。 ■Champion System Conti Cycling Team ■チャンピオンシステム

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