再び渾身のMTB日和!DHシリーズ第2戦、超マッドコンディションを日本王者安達靖が制す

Posted on: 2014.08.21

8月 16、17日に、DOWNHILL SERIES第2戦が福井県大野市にある福井和泉MTB PARKで開催され、エリート男子は、今年の全日本MTB選手権で4年ぶり5度目の日本チャンピオンに輝いた安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)が優勝。女子は日本チャンピオン末政実緒が制した。


エリート男子優勝の安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)

福井和泉MTB PARKはオープンしてから5年目の比較的新しいMTBパーク。過去にスキージャム勝山でコースクリエイターとして活躍したMAD-MAX(マッドマックス)の二人によって造られた、“サンデーライダーが楽しく走れる”がコンセプトのコースである。


ダウンヒルシリーズ第2戦の舞台となったのは福井県の福井和泉スキー場

今回はお盆時期の開催にも関わらず、西は島根県から東は東京都までの82人がエントリーした。コースは「ショットガン」と呼ばれるコースを使用。マウンテンバイクの要素がすべて詰めこまれた、テクニックとフィジカルの両方を強く必要とされる全長 1.27 kmのハードコース。

それに、第1戦に続く雨予報の天気がプラスされるとなると、タフなレースになることは想像に難くない。また、今回の会場では搬送に時間がかかるため、試走は一人3本と決められており、練習時間はみんなが平等だ。


搬送にはトラックと4WD車両が使われ参加者同士の乗り合いで会話も弾む

土曜日に行われたのはタイムドセッション。この結果によって日曜日の本戦のスタート順を決めるが、参加は必須ではない。ただし、ポイントが加算されるということもあって参加率は高い。

曇ったり大雨になったり、晴れ間が見えたりと天気に翻弄されるなか、トップライダーさえも転倒が相次ぐほど、コースは雨でツルツル。しかし、参加者の顔から笑顔は消えない。同じく雨に降られた第1戦に続き、「最高のマウンテンバイク日和」となった。

タイムドセッションを制したのは、ワールドカップ帰りの清水一輝(MADISON SARACEN FACTORY TEAM)。2秒遅れで第1戦の優勝者阿藤寛(COMMENCAL/Topknot)、続いて井本はじめ(LoveBikes)が入った。


タイムドセッション1位の清水一輝(MADISON SARACEN FACTORY TEAM)

17日、日曜日。前夜、豪雨と雷に襲われた大野市だったが、朝には小康状態に。雨が止んだためにコースはドロドロ、ツルツル、コネコネの超マッドコンディション。昨日のタイムドセッション時からまた大きくコンディションの変わったコースを、当日のたった2本の試走で攻略するのはプロでも難しい。

試走が終わる頃には雨も上がり、本戦へ向けてスタート地点への搬送が始まる。本戦では、転倒やコース脇の小川に転落する参加者が続出。抜かれ際に2人そろって転倒して優勝を逃すライダーもいたなど、悪コンディションならではのドラマも生まれる。そのたびにゴール周辺に集まった観客からは「わぁっ!」と声が上がり、コース脇からは声援が飛ぶ。

今回、エリート男子クラスにはすでに引退している歴代の名選手も多く参加していた。4度全日本を制した内嶋亮。2009年の全日本チャンピオン向原健司、1998年アジアチャンピオンの竹本将史たちだ。

対して、今年4年ぶり5度目の全日本を制した安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)。さらに 2014年全日本チャンピオン井手川直(Devinci/STRIDER)や、今年の全日本2位の永田隼也(AKI FACTORY TEAM)ら現役選手達がどこまで“今の世代”の力を見せつけるか。


新旧トップライダーも参戦。左から永田隼也、黒沢大介、清水一輝、内嶋亮

次々に選手がゴールするが、タイムは伸びず、土曜日のタイムドセッションに比べると全体的に7〜8秒プラスのタイム。ゴールしたライダーはほとんどが首を振りながら笑って言う「これは、ヤバい!」「氷みたいだった!」と。


エリート男子2位の井本はじめ(LoveBikes)

試走時ともまったく変わってしまったコンディションに、トップライダーさえほとんどが転倒。そんななか、レース後「朝の試走よりも思った以上に路面が変わってしまっていましたね。正直、走っていてそんなに速いって言う感覚はなかったんですが、結果的に上手くまとめられたかなと思います。」と話した安達靖が、やはり経験値の差なのか、2位に4秒近い差を付けて優勝を決めた。


激戦となった男子エリートを制したのは安達靖(DIRTFREAK/SARACEN)


エリート男子表彰式


女子エリートクラス優勝の末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN)

2位に井本、3位に阿藤が入った。エリート女子は全日本選手権15連覇を成し遂げた末政実緒 (DIRTFREAK/SARACEN)が後続に32秒差をつけて第一戦に続いての優勝を果たした。

次戦は9月13日〜14日。舞台は島根県邑智郡MIZUHO MTB PARKで行われる。

【動画コースプレビュー】

Rider:永田隼也選手(AKI FACTORY TEAM)
Director:SLmedia 映像ディレクター 山村優介

記事:DOWNHILL SERIES
Photo:DOWNHILL SERIES/Ryuta IWASAKI(八重洲出版)

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