福島晋一「一番煎じの効用」

Posted on: 2014.05.29

今、こちらに来ている2選手にフランス語を教えている。自分が16年前に使った(幸也も使った)日本の参考書を使ってやっているが、自分の慣れない教え方にもかかわらず、2人ともとても早く上達している。

自分も試行錯誤で思い付きの例文(je peux acheter la course.など)を交えながらやっているが、生徒の頭がいいのかとても成果がありそうなのである。

毎年、こうやって教えていたら自分も上達してもっとスムーズに教えられるなぁと思いながら、意外と何回も教えて慣れてきたら意外と伝わらない事もあるのではないかと思えてきた。

いまから、11年前幸也が来た時に初めてフランス語を教えた。教えることで、自分が分かっていない事がよく分かった。稚拙な教え方であったが幸也には心が通じたのであろうか?しっかりとものにしてくれた。(少々雑ではあるが)

子供も最初の子供は親も育て方が分からないから、試行錯誤する。その親が試行錯誤しているのを見ながら育った子供が、後から続く、親が子育ての要領を得てから育てた子供よりもうまく育たないかと言うとそうでもない気がするのである。

AUTHOR PROFILE

福島 晋一 ふくしま しんいち/岡山県出身 1971年生まれ。20歳からロードレースを初め、22歳でオランダに単身自転車武者修行。卒業後、ブリヂストンアンカーに所属し2003年全日本チャンピオンを獲得。2004年ツアー・オブ・ジャパン個人総合優勝、2010年ツールドおきなわ個人総合優勝。2003年から始めたチーム「ボンシャンス」代表に就任。2013年シーズンを最後に引退。JOCのスポーツ指導者育成制度でフランスのコンチネンタルチーム「ラ・ポム・マルセイユ」の監督として2年間の研修を経て、現在はアジアのロードレース普及を目指しアジアサイクリングアカデミーを主宰している。 アジアサイクリングアカデミー筆者の公式ブログはこちら

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